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最後の音楽

CDを制作したのは、自分のため。自分の音楽をたくさんの人に知ってもらいたいと思ってのこと。なので、純粋に、自分の作り出した音楽に向き合ってこだわって作りました。

 

そして、先日、LINEにて恩師からメッセージが届きました。

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去年のホームコンサートの演奏終了後、とっても感激して「CDをぜひお願い!」と言ってたショートヘアーのおばあちゃま、ご病気でこの6月にお亡くなりになりました。

弔問に伺ったら、息子さんが「最後まであのマリンバのCDをずーっと聴いてたみたいです。」とおっしゃって・・・

私、悲しくて、嬉しくて涙が出ました。

 

90年の人生最後の音楽が光知子ちゃんの音楽だったのです。

嬉しいよね。

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と。

涙が止まらなくなりました。(リハが立て込み中だったこともあり、精神的にも結構追い込まれていた時期とも重なり、1人静かにポロポロ、ポロポロ泣きました)

亡くなられたおばあちゃま、コンサート後に「キッチン」という曲を好きだと言ってくれ、この曲をかけながらお台所に立つわ〜楽しみだわ〜。と話して帰られたことを記憶しています。

 

自分の中だけにあったものが、人の手に渡って、誰かの大切なものになっていく。CDを制作して、たくさんの方から感想を頂き、嬉しい気持ちを実感しています。 

だけど、まさか、だれかの最後の音楽になる可能性を予想していなかった私。演奏家として、この上ない「幸せ」を感じるとともに、生み出すものに誠心誠意向き合うことを忘れちゃいけないと、改めて思い直すきっかけをいただきました。

 

チャーミングな白浜のおばあちゃま、ご冥福をお祈りいたします。

そして来年、あなたに届くよう、白浜で弾きますからね。